【ポルトガル移住】海外生活を始める前に考えるべきこと(前篇)
ボン・ディーア!
ここ5〜10年の間に海外旅行や長期滞在、海外移住に関する情報が身近になりました。
今一番行きたいのは、両親が暮らすアメリカではなく日本です。誰か特定の人が恋しいわけでもないのに(もちろん会いたい人はたくさんいますが)、パンデミックにより気軽に旅行ができないと、やはり日本が私の故郷なんだと実感します。
外国暮らしがしたくて自ら選んだはずなのに、日本っていいな・・・って、日本に住む人をうらやましく思ったりします。
経験者から移住希望者へのアドバイス
だからといって、20代後半でアメリカ移住、そして40代後半でポルトガル移住したことを後悔しているわけではありません。
当時は、とりあえず移住することしか考えておらず、ある意味無謀でしたが、余計なことをあまり考えなかったので実現できたのかなとも思います。
一方で、もっと慎重にちゃんと準備しておけば良かったと思うこともあります。それをうまくまとめた記事を見つけたので、私個人の見解も加えつつ、その内容を紹介します。
「ポルトガルへ引っ越す前に考慮すべきこと24」(↓)
2007年、ポルトガルへ移住したイギリス人の筆者は、移住への単なる憧れや高揚した気持ちばかりが先立たないように、冷静で論理的なマインドセットをすることが重要としています。
彼女が提案する「24の項目」は以下になります。国を問わず、いつか海外移住したいと考えている人の参考になると思います。
1. 異文化に馴染みやすい性格ですか?
「家族や友達と離れ、言葉が通じない異文化で暮らすことは、想像以上に難しいことです。もし、あなたが変化を嫌い、予期せぬ困難は避けたい、ストレスに弱いタイプなら移住は向いていないかもしれません。」
逆に言えば、変化を楽しめる人、臨機応変な人、困難な経験にも立ち向かおうという人は、移住に向いているでしょう。ちなみに私は、見たい、知りたい、やってみたいという好奇心が強いため、海外生活を考えました。
2. 好きな食べ物がなくても大丈夫?
「ポルトガル料理は美味しいけれど、つらい1日を乗り切るのに必要なのは故郷の懐かしい味だったりします。もちろん、ポルトガルでも手に入る海外の食材は増えてきたけど、扱ってる店が少なかったり、高価だったり・・・自国と同じようにとはいかないのです。」
ロサンゼルスに比べて、リスボンにはアジア料理が少ないのが残念。おいしい和食やお寿司屋さんはあるけれど、日本の食材は種類が少ないし、値段が高い!日本には、自炊でも、外食でも、安くて、美味しいものがあふれてますよね・・・。うらやましい・・・。
3. “サービスの違い”に耐えられる?
「カスタマーサービスや公共窓口での対応に何を期待しますか?もちろん、素晴らしいサービスを提供する会社もありますが、期待外れやあなたを困難に陥れるケースも多々あるのが現実です。」
アメリカに住んでいたこともあり、もはやカスタマーサービスにはそれほど期待していないので、ポルトガルでがっかりする経験はほとんどないです。しかし、公平、迅速、”完璧”な日本のサービスと比べると、ストレスが溜まることも多いと思います。ポルトガルのお役所仕事はアナログで複雑が定説です。
4. 時間通りに行かなくても許せる?
「ポルトガルで予定通りに行動するのは難しいです。イベントでも、私立病院の予約でも、時間通りに進むことはまれ。常に15分〜30分の余裕は持った方が良いでしょう。」
ポルトガル人は時間にルーズという思い込みがあったせいか、「なんだ、みんなちゃんとしてるじゃん」というのが私の印象です。しいて言えば、レストランは開店時間に行っても準備ができていないところが多いです。慣れると、急ぐのがばかばかしくなってきます・・・。
5. あなたは我慢強い?
「業者に何かを依頼したとして、“完了は〇〇日の予定です”、“現在の状況は〇〇です”などの報告はないと覚悟してください。数週間音沙汰なしというのも普通で、何か報告すべきニュースがあった時だけ連絡がきます。」
先方が気を利かせて報告してくれることはまずないので、不安な点は事前にこちらから訊ねる、途中で確認の連絡を入れる、もしくは気長に待つことしかできません。それでも、思い通りにはならないので、「郷に入っては郷に従え」・・・と諦めましょう。
6. ポルトガル語を学びたい?
「ポルトガル語を学ぶのは決して簡単ではありません。何年も住んでいるのに、あいさつくらいしかできない外国人がたくさんいるのも事実。しかし、日常会話を習得するだけでも、生活がより楽により充実したものになるし、何よりポルトガル人との距離が縮まります。」
日本語に置き換えるとわかりやすいですね・・・。日本にいながら当然のように英語で話しかけてくる外国人と、片言でも一生懸命日本語を話す外国人、あなたはどちらと仲良くなりたいと思いますか。ポルトガルでは英語が通じると評判ですが、みなさん一生懸命英語を話してくれているだけで、母国語で話す方が心を開いてくれることは言うまでもありません。
7. 金銭的余裕はある?
「たくさんの斡旋業者が“ポルトガルでは安く生活できる”と広告を出していますが、良い面もあれば悪い面もあるのに、バラ色に脚色されすぎじゃ・・・と思うこともあります。」
実際、リスボン地区での生活費は期待していたほど安くなかったです。特に、住居費は、賃貸でも、購入でも、好条件の物件はそれなりの価格です。どのようなライフスタイルを送りたいかにもよりますが、日本だったらもっと安くて良いものがあるのに・・・と感じるかもしれません。
8. 必要になったらどうやって稼ぐ?
「ご存知のようにポルトガルは低賃金です(2021年9月現在の最低賃金:約740ユーロ)。さらに特別なスキルでもない限り、ポルトガルで雇用されるのは難しい・・・。もちろん、リモートワークで働く、自分のビジネスを始めるというオプションもあります。」
うちは夫がリモートで日本企業に勤めています。時差があり、超朝型生活ではありますが、安定した収入があるのはありがたいことです。会社全体がコロナをきっかけにフルリモートに移行したので、距離のハンデを感じなくなったそうです。
9. 納税はどうする?
「外国人も居住すれば納税義務があります。どの国にどのように納税すべきか、専門家に相談することをおすすめします。」
私たちは、アメリカとポルトガルで納税義務があります。2019年度は、アメリカとポルトガル、それぞれの公認会計士に依頼し、確定申告しました。
10. ビザについては?
「3か月以上の長期滞在をしたい場合は、ビザが必要になります。個人のニーズにより、さまざまなオプションがあるので、じっくり研究してください。」
私たちは、「ポルトガルに短くても5〜10年住みたい」という希望だったので、D7ビザで入国、ポルトガル国内で居住許可を取得しました。
11. 医療保険はどうする?
「居住許可があれば、公的医療機関で検査・治療が可能ですが、控除された医療費を適用するには担当医の承認が必要だったり、待ち時間が長いなど、不便も多いです。また、歯科治療は公的医療外。利便性から、プライベートの医療保険を購入する外国人が多いようです。」
私たちは『Médis』という保険会社を利用しています。
12. 移住後は何するの?
「リタイア後の移住を考えている人が多いようですが、最初の3か月は引っ越しが落ち着くまで忙しいとして、その後は何をしたいと考えていますか。ポルトガル語が流暢でないかぎり、趣味や娯楽のオプションは自国に比べて少なくなってしまうでしょう。ボランティアやスポーツを通して、仲間を見つけるのが良いかもしれません。」
ただでさえ、大人になってから友達を作るのは難しい・・・。その点、夫はスポーツを通して言葉のハンデなく交友関係を広げています。私は、近い将来、ポルトガルと日本を結ぶ何かをしたいと考えています。そのためにも、ポルトガル語がんばらなきゃ・・・。
後編へ続く・・・