アズレージョな毎日

ポルトガル・リスボンから、移住、観光、食、人、文化などについて発信します

【第2回】今いるのがポルトガルで良かった、そして日本にはもう戻れないかも・・・と思う理由

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ボン・ディーア!

 

リスボン外出自粛生活30日目。

 

今日は、イースター・サンデー。カトリックの国ポルトガルにとっては、大きなイベントです。しかし、移動制限や教会に集まることを自粛し、オンラインでミサをしたり、神父さんがトラックの荷台に乗って街を回ったりしている様子がテレビで中継されています。

 

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに世界のあり方が大きく変わりそうですね。もしかしたら、好き勝手やって地球を破壊してきた人間どもを大人しくさせようと大きな自然の摂理が働いているのかもしれません。現に地球は浄化し、大気はきれいになっています。

 

さて、ポルトガル・リスボンに来て半年足らずの私が、日本、アメリカ、ポルトガル生活を経験してみて、今感じること・考えることをシェアするシリーズ第2回目です。どうぞ、よろしくお願いします。

 

 

冒頭の写真

いつかのごはん:醤油・にんにく・ベーコンのなんちゃってチャーハン、野菜の味噌汁+赤ワイン(日本のごはんが食べたい・・・😭)

 

 

前回に続き、ポルトガルの現状

 

第1回は、「今いるのがポルトガルで良かった」理由を書きました。

 

外出自粛による精神的苦痛はあるものの、身の危険を感じることもなく、ライフラインやインターネット環境も整っているので家の中は快適で、街はパニックなどもなく平穏に過ごせています。

 

さらに、新型コロナウイルス感染拡大の中心であるヨーロッパにありながら、ポルトガルは、感染者・死者数ともに増加のスピードを抑えられています。それは、ひとえに国民が自ら判断し、自己隔離、行動自粛を早い段階から行ってきたからに他なりません。

 

「ポルトガル人は”自分だけは大丈夫”という根拠のない感覚を持たず、事実をそのまま受け止め自己管理している」と、他国から称賛されている記事も紹介しました。この「事実をそのまま受け止める」そして「弱い自分に負けずに自己管理する」って、とても難しいことですよね。

 

まだ読んでいない方はこちらから(↓)

www.myeverydayportugal.com

 

 

ポルトガル人はどん底に強い!? 

 

ポルトガル語のオンラインクラスで、「ポルトガルの人たちは、こんな大変な時に、冷静に活動自粛を淡々としているのがスゴい」と発言すると、先生が「ポルトガルはどん底状態に慣れてるのよ。でもこれで経済がまたダメになるわね」と言っていました。

 

先生の言う「どん底」とは、長く続いた経済危機や今でもそれほど改善されていない賃金の低さなのだろうと理解しています。

 

私たちがポルトガルを移住地に選んだ大きな理由のひとつとして、ポルトガル人のおおらかさがあります。自分を飾ったり、カッコつけたり、大きく見せることなく、「おばあちゃんちにいるような」ありのままを受け入れてくれる懐の深さを感じたからです。

 

そして、先生の言葉からもわかるように、過剰な期待はせず、真面目で謙虚で我慢強いところがポルトガル人の長所だと思います。それだけではただの暗い優等生になってしまいますが、お茶目でおおらかでちっちゃいことは気にしないマイペースさを持ち合わせてるのが、私のツボにぴったりはまったのです。

 

よく考えると、「ちっちゃいことは気にせず、大きな問題とはがっつり向き合う」って、幸せになるためにとても大切なことですよね。

 

 

安定した政権と距離の近い政治家

 

前回紹介したこちらの記事では、ポルトガル政権についても触れています(↓)

www.portugalresident.com

 

ポルトガルで新型コロナウイルス対策がうまく機能しているのは、政権が安定しており、野党も全面的にサポートしているからである、とのことです。

 

思い起こせば、3月9日、課外授業で大統領官邸を訪れた生徒の一人が感染していたことがわかり、マルセロ・レベロ・デ・ソウザ大統領はその日の予定をキャンセルし、2週間の自己隔離に入りました。その時、SNSでは「よくやった、国民が見習うべき行動だ」といったコメントが多かったです。

 

というのも、この大統領、71%の国民が好印象を抱いている人気者で、大統領選では「街に出て、人々と対話し、ハグをする」という独特のスタイルだったそう。大統領自身も「私が彼らの抱える問題をすべて解決できないことは彼らも理解しているのです。(中略)誰かに話を聞いてもらったり、ただ癒しを求めていることもあります」と発言*。

*参照:クーリエ・ジャポン「ポルトガル国民が好きすぎるソウザ大統領!支持率71%も納得の理由」

 

自宅からスカイプで国民に呼びかけるなど、大統領でありながらとても身近な存在です。きっと、「”お父さん”が一生懸命だから協力しよう」と心を動かされる人も多いことでしょう。

 

ひとりでパンを買っている大統領を見かけたという記事も出てました(↓)

www.portalcascais.pt

 

 

死者0人の段階で国境封鎖を敢行!

 

ちなみにポルトガルには、行政のトップである首相もいます。現在は、社会党のアントニオ・コスタ首相。ポルトガルの経済を立て直した功績はEU諸国から高く評価されているらしいです。

 

さて、この二人が率いるポルトガル政府がいかに迅速に対策を講じたかがわかるチャートがあります。欧州諸国が新型コロナウイルスによる死者が出てから、対策を実施するまでに要した時間をまとめたものです(↓)

 

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ポルトガルは、死者が一人も出ていない時点で、「イベントの中止」、「教育機関の閉鎖」、「生活必需品以外の店舗を閉鎖」、「不要不急の移動を禁止」、「スペインとの国境を封鎖」を敢行したのです。

 

一方、スペインは、それぞれ6〜12日間を要しています。迅速に決議できたのも安定政権+野党の協力があったからなのでしょう。

 

正直、そのスピードに驚きました。それらを実施した時、ポルトガル国内の感染者数はわずか331人。今だから言えることですが、当時、スペインでの感染者が8,000人に迫る勢いだったので、国を守るための賢明な判断でした。

 

そして、国家としてのどん底の経験と国民の後押しがあったから、迅速に進めることができたのだと思います。

 

 

それでも増え続ける感染・・・

 

2020年4月12日現在、ポルトガル国内の感染者数は1万5,804人、死者数は504人。ICU内の患者数が急増することなく、200人程度で推移しているのが救いです。

 

最前線で闘っている医療チームのみなさんに感謝しつつ、彼らの負担を大きくしないようにこれからも外出自粛を続けます。

 

世界は繋がっています。日本のみなさんも一緒にがんばりましょう!

 

 

リスボン外出自粛生活についての記事はこちら(↓)

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