【ポルトガル語】スペイン語にくらべて習得が難しい理由
ボン・ディーア!
10月後半まで毎日快晴が続いていたリスボンでしたが、ここ数日は雨模様・・・。夏時間も終わり、あの寒く暗い冬がやってくる気配を感じさみしいです。
さて、私、いまだにポルトガル語に苦戦しています・・・。友人と会話したり、テレビを観たり、できるだけポルトガル語を使う機会を増やそうとしているものの、甘んじて英語を話すことが増えている今日この頃。やはり定期的なレッスンを取るべきか迷っています。
そして、ポルトガル語習得に苦労しているのは自分だけじゃない、と思える動画を見つけてほっとしたりして・・・。
苦労しているのは日本人だけじゃない
アメリカにいた頃、日本人にとっては英語よりもスペイン語の方が習得しやすいとよく耳にしました。主な理由は、スペイン語の母音は日本語と同じ5つとあって、発音しやすい、聞き取りやすいからです。
逆に言えば、日本語は音域が狭く、母音の数が少ないことから、日本人にとって他の言語の細かい音を聞き分けることが難しい・・・。
しかしながら、ポルトガルのポルトガル語を学ぶ時、聞き取りに苦労するのは、日本人のみならず、英語話者、スペイン語話者、はたまたブラジルのポルトガル語話者にも、ある程度当てはまるようです。
スペイン語がポルトガル語より簡単な理由を解説しているのが下記の動画です(↓)
あくまで、スペイン語、ブラジルとポルトガル両国のポルトガル語を学んだ彼女の分析ですが、わかりやすく納得できる内容だったので紹介したいと思います。
母音
ポルトガル語には、口をあまり開かずに発音する母音があります。これが聞き取りづらい!
動画では、スペイン語とポルトガル語で綴りがまったく同じ、「Maria」、「Amor」、「Gente」を例に発音の違いを紹介しています(1:30付近)。
鼻濁音
ポルトガル語が美しく聞こえる最大の要素、それが空気が鼻に抜けるような鼻濁音です。
スペイン語とくらべると・・・(2:20付近)
- 駅:🇪🇸 estación(エスタシオン)🇵🇹 estação(ェシュタサォン)
- 選択肢:🇪🇸 opciones(オプシォネス) 🇵🇹 opções(オプソェシュ)
- 良い:🇪🇸 bien(ビエン)🇵🇹 bem(ベェィン)
無理矢理、正解のわからないカタカナをつけましたが、明らかにポルトガル語の方は読みづらくありませんか。それだけ、わかりにくい発音ということです・・・。
Sの発音
スペイン語ではサシスセソに近い「s」の発音が、ポルトガル語では使われる場所によって音が違うんです(2.52付近)。
- 家:🇪🇸 casa(カサ)🇵🇹 casa(カザ)
- スペイン:🇪🇸 Español(エスパニョール)🇵🇹 Espanhol(ゥシュパニョール)
- イワシ:🇪🇸 sardinas(サルディーナス)🇵🇹 sardinhas(サルディーニャシュ)
リズム
スペイン語が「音節言語(Syllable-Timed Language)」なのに対し、ポルトガル語は「重点言語(Stress-Timed Language)」。ちなみに日本語は「音節言語」、英語は「重点言語」です。
わかりやすく言うと、スペイン語や日本語は一定の音節で「ダダダダダダダダ」と聞こえますが、ポルトガル語や英語は「ダ・・・ダ・・ダ〜・・・」と、一部の音だけが強く、他の音は弱まるのが特徴。そして、一定のリズムを刻みません(3:15付近)。
文法
特に厄介なのが「人称代名詞」の位置。スペイン語とブラジルのポルトガルは、常に動詞の前にくるのに対し、ポルトガル語では基本は動詞の後。しかも、否定文や疑問詞をともなう場合は、前に移動するなど、ルールが複雑なのです(4:37付近)。
- あなたを愛しています:🇪🇸 Te amo 🇵🇹 Amo-te → Não te amo(愛していません)
露出の度合い
スペイン語は世界で3番目に話されている言語。一方、ポルトガル語もトップ10には入るものの、ブラジルのポルトガル語を話す人が多数派。映画や音楽などで、言語に触れる機会も極端に少ないため習得が難しいとのこと(6:00付近)。
たしかに、世に出回っているポルトガル語の教材もほとんどがブラジル向け。同じ言語ながら、異なる部分が多いので、どちらにフォーカスするかで教材選びにも注意が必要です。
逆に、ポルトガル人向けのメディアは、吹き替えではなく、字幕が定番。ポルトガル人は、英語も、ブラジルのポルトガル語も、スペイン語も聞き慣れているため、理解しやすいと言われます。
その他、ポルトガル語🇵🇹について(↓)