アズレージョな毎日

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ポルトガル語と日本語の共通点〜"あなた"を使わない⁉︎

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ボン・ディーア!

 

先日、友人と話していてあらためて気づいたことがあります。そういえば、ポルトガルでも、日本でも、主語をあまりはっきり言わないな・・・と。とくに、意図的に強調したり、特定する必要がないかぎり、相手に向かって「あなた」と言葉にすることは少ない気がします。

 

他のラテン系言語に共通するかはわかりませんが(スペイン語でも主語省略できたような・・・)、少なくてもフランス語では「あなた」に匹敵する「Vous」や「Tu」をつけるとのこと。私も、パリで2週間ホームステイしていた時に、マダムに「Tu es une bonne cuisinière(お料理上手ですね)」と、なんとかの一つ覚えで、食事の際はいつも言っていました。

 

そして、英語でも必ず「You」を使います。相手に向かってカジュアルに「Hungry?」と言うことはあるかもしれませんが、本来「Are you hungry?」と言うのが正しい。他の主語も同じ。「 I」、「He」、「She」、「They」、「We」、「It」、まず省略することはありませんよね。

 

ところが、ポルトガル語では、「あなた」に匹敵する「Você」や「Tu」、その他の主語を言わないことが多いのです。動詞の活用形によって誰について話しているのかわかりますが、最初の頃は戸惑いました。

 

厄介なのは、初対面や目上の人に使う「Você(あなた)」。これに対する動詞の活用形が三人称と全く同じなのですごく混乱するのです。例えば、お店で「A senhora precisa de ajuda?」と聞かれることがあります。直訳すると「ご婦人は助けが必要ですか?」。英語にしたら「Does the lady need help?」。まるで第三者の誰かのことみたいじゃないですか?でも、この場合の「A senhora(男性ならO senhor)」を直訳してはいけないんですよね。日本語で言うところの「お客様(つまり、あなた)」くらいのニュアンスなんだと思います。

 

日本語では「あなたは〇〇です」とか言うと、ちょっと攻撃的に感じたりする場合があるので、ポルトガル語でもそういうニュアンスがあるのかなと思い、ポルトガル人の友人に聞くと、「Vocêと言うのが失礼なわけじゃない。親しい目上の人には時々使うよ。例えば、彼女のお母さんとか・・・」とのこと。

 

これがブラジルのポルトガル語になると話は別で、誰に対しても「Você(あなた)」一択、英語のように省略しない印象です。

 

さらに、ポルトガルのポルトガル語が日本語ぽいと感じるのが、友達や知り合い同士の会話で、「O João gosta de peixe?(ジョアオは魚好きですか?)」と、相手の名前を主語にすること。日本語でも「あなたは魚が好きですか?」って言うと、文法的正しくてもどこか不自然・・・。「魚好きですか?」と主語なしで言う方がずっと日本語らしいし、「田中さんは魚好きですか?」、「たけしは魚好き?」と相手の名前を言うと親近感が湧きますよね。

 

一方、「あなたたち」を意味する「Vocês(複数形のYou)」はポルトガルでもよく聞く気がします。ポルトガル語にはまだまだ自信がないので的を得ているかわかりませんが、現時点で感じたことを書いてみました。

 

参照ビデオ(↓)

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