【ポルトガル】積極的に批判的思考を育む国⁉️
ボア・ノイトゥ!
ヨーロッパでの新型コロナウイルス感染拡大の例に漏れず、ポルトガルでも新規感染者が爆発的に増えています。春先は1日の最多新規感染者数が1500人程度だったのに、11月に入ってからは3000〜7000人台で推移しています。
そしてついに、11月6日非常事態宣言に至り、昨日9日より2週間外出制限などの新たな措置が試行されました。
以下、在ポルトガル日本大使館からのメールを紹介します。
“11月6日、ポルトガル政府は、非常事態宣言を発出し、11月9
具体的には、平日(月曜日から金曜日)は23時から翌朝5時まで
また、全国的に、職場、交通機関、スポーツ・文化施設等での検温
在留邦人の皆様におかれましては、上記にご留意の上、引き続き感
(参考)
121市の内訳は以下のリンクの1ページ目をご覧下さい。
https://dre.pt/application/fil
ポルトガルは「批判的思考」を育てる国
さて、タイトルにもありますが、ツイッターで興味深い調査結果を目にしました。以下の記事の中で紹介されていたものです(↓)
記事で論じられている「日本の教育」はさておき、私が注目したのは、OECD(経済協力開発機構)による各国の中学校教員を対象に「授業において批判的思考をどれほど促すか」を調査した結果。
「頻繁に促す(A lot)」や「かなり促す(Quite a bit)」など、肯定的な答えの割合が最も高かったのがポルトガル(97.9%)なのです!
私にはポルトガル人は協調性があるように映るので意外でした。しかし、「批判的」の捉え方が違っていました。
Googleで「批判」を検索すると、「良い所、悪い所をはっきり見分け、評価・判定すること」と出てきます。「批判的」と聞くと、「粗探し」のようなネガティブな響きがありますが、「良い所を評価したり」、「判定したり」する意味もあるのです。
ポルトガル人は論理的⁉️
よくよく考えると、この結果に納得します。常々、ポルトガルには論理的な思考の人が多いと感じていたからです。
例えば、新型コロナウイルスへの対応。
新型コロナウイルスの登場から1年近くたった今でこそ、いろんなデータが集まっていますが、国内感染者0人の段階から、そして政府による非常事態宣言の前から、多くのポルトガル人が自分で判断し、被害を最小限にする準備をしていたのです。
また、「アジア人への怒りをぶつける」などの愚行は聞かないし、少なくても私たちは周りではパンデミックにより嫌な思いをしたことはありません。
そして、義務化される以前から、多くの人が路上でもマスクをしていました。ソーシャル・ディスタンシングや人数制限、消毒作業なども普通に生活している範囲では適切に行われている様子がうかがえます。
そういう論理的思考は批判的思考を育む教育あってこそなかもしれない・・・。言われたからやるんじゃなくて、状況と情報から自ら判断して行動しているからこそなのかなと思うのです。
ポルトガルのすごいところ(↓)
暗黒時代を経験したからこそ⁉️
あくまでの私の想像でしかないですが、独裁政権という暗黒時代があったことも、批判的思考を育む教育にシフトした要因かもしれません。
狡猾な独裁者は、人々の弱い心につけ込み、巧みな言葉で感情を操ります。強い者を信じて強い力にすがるのは容易いし、大多数が支持するなかで、そこに疑問の声をあげるのはなかなかできることではないでしょう。
だからこそ、平常時から、物事をいろんな角度から見て、それぞれが考え、意見を交換し、その上で、「良い所、悪い所をはっきり見分け、評価・判定する」力を養うことで、同じ過ちが起きないように教育する・・・。
やっと手に入れた民主主義を失わないための教育。自由は決して当たり前ではなく、危ういものだと知っているからこその「批判的思考」を重視する教育ではないでしょうか。
ポルトガル独裁時代について(↓)
日本式&アメリカ式「本音と建前」
先日、アメリカ人や日本人の友人を持ち、アメリカ人とビジネスのつながりもあるポルトガル人が面白いことを言っていました。
「日本人は、 本音と建前があることを認識して行動しているけど、アメリカ人は、自分たちが本音と建前を使い分けていることを認めないんだ。それとも気付いていないのかな・・・」って。
言い得て妙だと思いました。良し悪しではなく、日米の違いを的確に捉えているな・・・と。ネガティブではなくニュートラルなスタンスです。
一方、ポルトガル人はあまり建前を気にしていないように見えます。作り笑顔をしたり、格好つけることが少ない気がします。
ありのままを受け入れてくれる包容力こそがポルトガルの居心地の良さなのかもしれません。