【ポルトガル語】好きな曲の歌詞で勉強する(4)〜Carlos do Carmo - Lisboa Menina e Moça
ボア・タルドゥ!
ポルトガルでの新規感染者数が今日1万人を超えました。人口1000万人強と日本の10分の1以下であることを考えると、かなり深刻な状況だと思います。幸い、私たちの生活環境にそれほど変化はなく、外出制限などはあるものの、穏やかに過ごせています。今後も、感染予防や消費活動など、個人としてできることに徹するつもりです。
先日、ファド歌手のCarlos do Carmoさんが亡くなりました。追悼の意を込めて、代表曲の「Lisboa Menina e Moça」の歌詞を読解・解説します。
👨Calros do Carmo 🎵Lisboa Menina e Moça
カルロシュさんは享年81歳。お母様も有名なファド歌手だったそうです。
私はこの曲を35人のアーティストが歌っている動画で知りました。カルロシュさんがラテン・グラミー賞で「生涯名誉賞」を受賞した際に、お祝いとして制作された動画です。リスボンの美しい風景が映し出されることも手伝って、大好きな曲になりました。
晩年は、サビの一部を観客に委ねることがお決まりのようで、ご本人が歌唱していない部分がある動画ばかりなのが少し残念です・・・。
まずはお聴きください〜
Carlos do Carmo - Lisboa Menina e Moça | Gala | The Voice Portugal
私がおすすめのバージョン。35人のアーティストと美しいリスボンが登場します(↓)
Rádio Comercial | Parabéns Carlos do Carmo
No castelo, ponho um cotovelo(城壁にひじをついて)
Em Alfama, descanso o olhar(アルファマで目を閉じる)
E assim desfaço o novelo de azul e mar(青い海を巻き戻し)
À Ribeira encosto a cabeça(リベイラに頭をもたれ)
Almofada, da cama do Tejo(テージョ川のベットに横たわる)
Com lençóis bordados à pressa(刺繍をほどこしたシーツは)
Na cambraia de um beijo(キスのカンブリック)
Lisboa menina e moça, menina(愛しいリジュボアよ)
Da luz que meus olhos veem tão pura(まばゆい光が目に映る)
Teus seios são as colinas, varina(いくつもの丘はあなたの腕の中)
Pregão que me traz à porta, ternura(やさしく私を招き入れる)
Cidade a ponto luz bordada(色鮮やかに輝く街)
Toalha à beira mar estendida(大きく私をつつみこむ)
Lisboa menina e moça, amada(最愛なるリジュボアよ)
Cidade mulher da minha vida(あなたこそ、我が人生)
No terreiro eu passo por ti(広場であなたとすれ違い)
Mas da Graça eu vejo-te nua(グラッサで素顔のあなたに出会い)
Quando um pombo te olha, sorri(鳩に見つめられると)
És mulher da rua(あなたは微笑みかえす)
E no bairro mais alto do sonho(夢のバイロ・アルトで)
Ponho o fado que soube inventar(今日もファドが流れる)
Aguardente de vida e medronho(人生と果実の酒があれば)
Que me faz cantar(私は歌う)
Lisboa menina e moça, menina(愛しいリジュボアよ)
Da luz que meus olhos veem tão pura(まばゆい光が目に映る)
Teus seios são as colinas, varina(いくつもの丘はあなたの腕の中)
Pregão que me traz à porta, ternura(やさしく私を招き入れる)
Cidade a ponto luz bordada(色鮮やかに輝く街)
Toalha à beira mar estendida(大きく私をつつみこむ)
Lisboa menina e moça, amada(最愛なるリジュボアよ)
Cidade mulher da minha vida(あなたこそ、我が人生)
Lisboa no meu amor, deitada(我が愛のリジュボアよ)
Cidade por minhas mãos despida(ありのままの私を受け入れてくれる)
Lisboa menina e moça, amada(最愛なるリジュボアよ)
Cidade mulher da nossa (minha) vida(あなたこそ、私たちの人生)
*日本語は私の勝手な解釈による意訳です
ポルトガル語の解説
ここからは、細かく歌詞を見ていきましょう。気になるフレーズや単語を解説します。
この曲は、リスボンの街を女性に見立てて、彼女への愛を歌っています。私は個人的に「Red Hot Chili Peppers」がロサンゼルスを歌った「Under the Bridge」を思い出しました💦 「彼女(She)」と表現していることから、街はやはり女性なんですね・・・。
女性への呼びかけの言葉
この曲では、女性への呼びかけの言葉がいくつか出てきます。
- Menina:「Girl(女の子)」という意味です。ポルトガル語の先生は第一声が「Olá meninas!(こんにちは、みなさん!)」なことが多いです。クラスに男性が1人でもいると、男性複数形の「Meninos」と言います。
- Moça: こちらも、女の子や若い女性という意味のようです。実際、誰かが使っているのを聞いたことはまだありません(聞き取れていないだけかも・・・)。
- Varina:調べると、魚を売る女性を差すようで、以下のような画像が出てきました。
- Amada:英訳すると「Sweetheart」や「Beloved」となり、「愛する人」への呼びかけの言葉だと思われます。
*他にも、コンマの後に使われている「ternura(やさしさ)」や「deitada(横たわる)」も女性への呼びかけに使われる言葉かもしれません・・・(確認次第アップデートします)。もしくは詩的に表現しているだけなのかも・・・。
リスボンの地名
リスボンをテーマにしているだけあって、地名や固有名詞も登場します。
- Castelo = Castelo de São Jorge(サン・ジョルジェ城)
- Alfama(アルファマ):旧市街でも特に古い建物が残る地区
- Ribeira(リベイラ):古い地名で「リベイラ市場」はその名残り
- Tejo = Rio de Tejo(テージョ川)
- Graça(グラッサ):展望台などで知られる趣のある地区
- Bairro mais alto = Bairro Alto(バイロ・アルト):「Alto」は「高地」を意味し、ファドが聴けるクラブや酒場が集まる地区
体の部位
- cotovelo(ひじ)
- a cabeça(頭)
- meus olhos(私の目)
- Teus seios(あなたの胸)*日本語訳では「腕の中」としました
- minhas mãos despida(私の素手)
正直、意味不明な部分もたくさんありましたが、想像力を働かせて無理矢理それなりの和訳をつけたので、ポルトガル人には「全然違うよ〜〜〜」と言われちゃうかもしれません。
いずれにせよ、素敵な歌なので、ぜひ聴いてみてくださいね!
歌でポルトガル語を学ぶ(↓)
その他、ポルトガル語🇵🇹について(↓)